ターゲット顧客を絞り込むことに抵抗があるという方は少なくありません。
しかし、ターゲット顧客を明確にしないままマーケティング活動を行ってしまうと、後に様々な問題が生じてしまう恐れがあるのです。
そこで本記事では、ターゲット顧客を絞り込まない場合の具体的なリスクやターゲット顧客の絞り込み方について解説していきます。
目次
ターゲット顧客を明確にすることで得られる利点
ターゲット顧客というのは、自社製品を売り込む相手のターゲット像に合致する顧客のことをいいます。
ターゲット顧客をあらかじめ絞り込んでおくことは、実はマーケティングではかなり大切なことなのです。
ターゲット顧客を絞り込むことで得られる利点としては、以下のようなものが考えられます。
見込み客の質が高まる
ターゲット顧客がはっきりとしていると、獲得できる見込み客の質が向上します。
ターゲットの属性がはっきりとしていれば、営業をかける市場が明確になり的確に営業活動を行うことができるようになるのです。
その結果、本当は20代をターゲット顧客としているのに絞り込みが甘く、主婦が良く参加するような市場でのみ営業活動を行ってしまったというようなミスが起きにくくなります。
マーケティングの方法を絞れる
ターゲット顧客が絞り込めていれば、マーケティングの方法もある程度絞り込むことができます。
たとえば、20代女性がターゲット顧客ならば、セールス電話をかけるよりもSNSやYouTubeを活用して宣伝活動を行った方が良いということが分かるようになるのです。
このようにマーケティングの方法を絞り込めれば、自ずと無駄なコストを省き、必要なところにのみリソースを割けるようになっていくでしょう。
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ターゲット顧客を絞り込む段階で、自社とライバル会社と顧客について詳しく調査することになります。
その中で、客観的に自社の長所と短所を知ることができるのも、ターゲット顧客を絞り込むメリットだといえるでしょう。
自社のセールスポイントと欠点が分かればより効率の良い営業戦略が立てられたり、商品開発に活かすことができるようになったりするのです。
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ターゲット顧客を絞り込まずに、いきなりマーケティングをはじめてしまう企業も少なからず存在しています。
しかし、ターゲット顧客の絞り込みを省略してマーケティングを進めてしまうやり方には、以下のような危険性があるためあまりおすすめできません。
誰の注目も集めることができない
ターゲット顧客を絞り込まないということは、どの層に向けて商品を作ったり宣伝したりしたら良いのか分からなくなってしまうということです。
そうなると、商品開発は「万人受けするもの」を目指して進んでいき、営業は「誰に対しても」行われるようになってしまいます。
一見するとマーケティングの幅が広がったように見えますが、実は全くそうではありません。
万人受けするように作られた商品は結局誰の心にも響かず、誰に対しても行われる営業は結局誰からも相手にされないということになるのが、マーケティングにおけるセオリーなのです。
マーケティングに無駄なコストがかかる
ターゲット顧客がはっきりしていないと、片っ端からマーケティング手法を試していくことになります。
マーケティング活動にはもちろんコストがかかりますので、片っ端から進めていては無駄になってしまうコストも馬鹿になりません。
溢れるような財源と人的リソースがあるのなら話は別ですが、多くの企業は限られた資金とリソースでマーケティングを行っていくはずです。
ならば、マーケティング活動もターゲット顧客をある程度絞り込んでからスタートさせるのが賢明でしょう。
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マーケティング活動はチームで行うものですので、可能な限り同じ目標に向かってみんなで進んでいくべきです。
しかし、ターゲット顧客が明確になっていないと、各々が各々のターゲットに向けてマーケティングを行うようになっていってしまいます。
するとチームでやっているのに、ソロプレイを行っている時と同じような成果しか得られなくなってしまうのです。
チーム全体で同じゴールに向かっていくためにも、最初にターゲット顧客を明確にしておく必要があります。
ターゲット顧客を絞り込む具体的なやり方
ターゲット顧客の具体的な絞り込み方について紹介します。
市場の細分化
最初に、マーケティングを行おうとしている市場を細分化していきましょう。
細分化をする時はマクロな視点からはじめて、どんどんミクロな視点に切り替えていくことになります。
市場を細分化するおすすめの順番は以下の通りです。
- 地理的視点:国や地域など
- 人口動態視点:年齢や職業など
- 心理的視点:趣味や価値観など
- 行動視点:日課や行動範囲など
自社商品が刺さるターゲットを洗い出す
市場の細分化ができたら、今度はその中でも自社製品を必要としているであろうターゲットを全員洗い出します。
ターゲティングを行う時は、以下の思考を積極的に取り入れていくようにしましょう。
- 自社のセールスポイントを活かせるか
- ライバル企業がいるか
ターゲット顧客を絞り込んで明確にする
最後にターゲット顧客を絞り込んでいきます。
ライバル企業が少なくて需要を多く獲得できるようなターゲット顧客にのみアプローチをしていくことで、自社の市場での立ち位置を明確にすることができるのです。
くれぐれもターゲティングで洗い出したすべての顧客に対して狙いを定めないように注意してください。
それだとターゲティング顧客を絞り込めたことにはなりません。
ターゲット顧客を絞り込まないと思うような成果は出せない
ターゲット顧客を絞り込むことで、より効果的なマーケティング活動ができるようになります。
ターゲット顧客を絞り込んでしまうと、必要なマーケティング機会を逃してしまうのではないかと不安に思われる方もいるかもしれません。
しかし、マーケティングにおいては手を広げ過ぎれば過ぎるほど、満足な結果からは遠のいてしまいやすいという傾向があるのです。
もしも思うような成果が出ない時にはターゲットを増やすのではなく、ターゲット顧客の絞り込みからやり直すようにしましょう。