法人向けの営業は、個人向け営業に比べてプロセスが複雑で、特別なノウハウが必要だといわれています。
法人営業は相手がプロであるがゆえに、きちんとデータをや情報を分析して営業に挑まないと、新規顧客を獲得するのは難しいのです。
そこで本記事では、法人営業の経験が少ない方はもちろん、そもそも法人向けの営業方法が分からないという方が、法人営業で新規開拓を成功させるために必要な3つのプロセスについて解説します。
プロセスを実行する具体的な方法も説明しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
新規開拓目的の法人営業は難しいがやりがいもある
法人営業で新規開拓を行うのは、個人向け営業で新規開拓をするよりも難しいといわれています。
法人営業が難しいといわれる理由として、法人相手だと専門的な説明やトークをしなければならないと緊張してしまったり、すでに競合他社との取引があったりということが考えられるでしょう。
しかし、営業マンにとって最もプレッシャーとなるのは、取り扱う金額の大きさかもしれません。
法人向け営業の場合は、売り込む商品やサービスの値段が高額になる傾向があります。
取り扱う金額が大きい分、商談に失敗してしまった場合の損失も大きくなってしまうのです。
法人の顧客はそれだけ企業の利益を左右します。
しかしその分、成功した時に感じるやりがいも大きなものとなるでしょう。
法人営業は難しいと諦めてしまうのか、やりがいを感じて一生懸命頑張るのかによって、営業マンとしてのその後の成長度合いが変わってくるのです。
法人営業で新規開拓する3つのプロセス
新規開拓を行うための法人営業において何よりも大切なのは、適切なターゲティングです。
ターゲティングとは?重要なマーケティング戦略や危険な勘違いについて具体的に解説自社製品を必要としているターゲットを見極め、ターゲットに合わせたアプローチを行うことで、自ずと成果は上がってくるでしょう。
適切なターゲティングを行うためには、以下の3つのプロセスを実行する必要があります。
1.法人企業の情報を集めターゲットリストを作成する
自社の商品を必要としているターゲットを探すためには、まずできるだけ多くの法人企業の情報を収集する必要があります。
その上で、ターゲットとなり得る企業をまとめたターゲットリストを作成するのです。
法人企業の情報が不足している状態だと、質の良いターゲットリストは作れません。
まずはあらゆる方法を駆使して、法人企業の情報を大量に集めましょう。
2.リストをセグメント化してターゲットを絞る
十分な法人企業の情報を獲得し、ある程度ターゲットリストが埋まってきたら、今度はターゲットリストのセグメント化を行います。
セグメント化とは、法人企業をいくつかの特徴で分類する作業のことです。
- 企業の大きさ
- 特性
- ニーズ
などの特徴ごとに法人企業を分類し、作成されたいくつかのセグメントから自社が最もターゲットにしやすいセグメントがどれか絞り込みます。
見込み客と潜在顧客の見分け方とは?見込み客へのアプローチ方法も解説3.個々のターゲットに対して営業をかける
ターゲットの絞り込みが終わったら、あとは個々のターゲットに対して営業をかけていくだけです。
ターゲティングが成功していれば、自社の商品とターゲットのニーズがマッチしているはずなので、アプローチを仕掛けた法人企業は必ずこちらの話に興味を持ってくれるでしょう。
どうしても成果が出ない場合は、ターゲットへのアプローチ方法を見直すか、ターゲティングの質自体を見直す必要があります。
新規顧客を開拓するための4つの方法と具体的な営業戦略を解説法人営業で新規開拓する具体的な方法①ターゲットリストの作成
法人営業で新規開拓を行うためのプロセスについて理解できたら、今度は具体的な実践方法を確認していきましょう。
まずは、プロセスの第一段階である「法人企業の情報を集めターゲットリストを作成する」方法について解説します。
企業の公式サイトやポータルサイトを巡る
法人企業の情報を集めるなら、インターネットで企業の公式サイトやポータルサイトを巡るのが一番です。
公式サイトやポータルサイトにいけば、
- 企業の規模
- 事業内容
- 売上
- 主な取引先
などの情報を簡単に手に入れることができます。
サイトを巡って情報収集をするほどのリソースや時間を確保できないという場合は、自動的に法人サイトを巡回して情報を集めてくれる「自動リスト収集ソフト」を活用するのも一つの手です。
人力で情報収集するよりも精度は低くなりますが、コストはある程度削減でしょう。
イベントやセミナーを開催する
自社のターゲットとなり得る企業が興味を持ちそうなイベントやセミナーを開催することで、出展企業や参加企業の情報を一気に手に入れることができます。
この方法で集まった企業はもともと自社の商品に興味を示す可能性が高いため、質の高いターゲットリストを作成するのに役立つでしょう。
イベントで交流することによって顔見知りに慣れる点も、後の営業にとって大きなメリットとなります。
企業リスト販売会社から購入する
自社だけでターゲットリストを作成しようとすると、途方もない時間と人件費がかかってしまいます。
大手企業ならまだしも、中小企業やスタートアップ企業の場合は、営業のリソースをそこまで確保できない可能性が高いです。
そのような場合は、外部の企業から企業リストを購入する方法も検討してみましょう。企業リストを購入できれば、ターゲットリストを手に入れるためのコストを大幅に削減できます。
法人営業に特化した営業代行業者である「コミットメントΣ(シグマ)」でも、法人企業のリストを提供していますのでぜひご活用ください。
コミットメントΣが保有する約700万件の法人リストから、商材に合った見込み客をリストアップします。
法人営業で新規開拓する具体的な方法②ターゲットを絞る
法人企業の情報をまとめたターゲットリストを作成できたら、今度は以下のような方法でターゲットを絞り込んでいきます。
様々な切り口でセグメント化する
ターゲットリストの企業を様々な切り口でセグメント化していきましょう。
特性が共通する企業や規模が同じぐらいの企業、ニーズが似通っている企業など、色々な特徴によって細かく企業をグループ分けしていくのです。
この時点でどこまで細かくセグメント化できるかによって、その後のターゲティングの質が大きく変化します。
ターゲットの優先順位を決める
セグメント化が済んだら、今度は自社にとって優先度の高いセグメントを特定します。
自社の商品を一番必要としているセグメントはどれか、商品が売れた時に最も大きな利益を確保できるセグメントはどれかなど、色々な要素でセグメントをランク付けし、ターゲットに優先順位をつけていくのです。
営業の成功率を高める事前準備とは?具体的な事前準備のやり方を解説法人営業で新規開拓する具体的な方法③営業をかける
ターゲットの優先順位が決まったら、最後に優先順位の高い順に営業をかけていきましょう。
営業の方法は様々ありますが、ターゲットごとにアプローチしやすい営業方法は異なりますので、慎重に見極めてください。
プッシュ型営業
ターゲット企業が具体的に決まっていて、相手企業のニーズが高いと判断できた場合は、プッシュ型営業を行うのが効果的です。
プッシュ型営業はこちらが積極的に相手企業に働きかける営業方法で、上手くいけば短期間で成果が出ますが、相手企業にある程度のニーズがないと門前払いをくらってしまう恐れもあります。
飛び込み営業が上達する4つのコツと怒らせない営業トークテクニックプル型営業
ターゲットとなる法人企業がどのような特性の企業かは分かっているけれど、プッシュ型営業で落とせるほどのニーズが感じられないという場合には、プル型営業に力を入れてみても良いでしょう。
ホームページをターゲット向けに強化したり、メールマガジンの内容充実させたりして、ターゲットの方から自社に興味を持ってくれるのを待つのです。
時間はかかりますが、相手企業からアプローチをもらえるので高い成約率が期待できます。
紹介営業
すでに取引を行っている法人企業に、自社を紹介してもらう営業方法です。
こちらから相手企業に無理やり頼み込むことはできないので、まずは信頼を獲得し、「同じように困っている企業に紹介してあげたい」と思ってもらうよう日頃から行動する必要があります。
紹介営業をしていることを常にアピールしつつ、仕事を通じて相手企業に信頼してもらえるように努めましょう。
営業スタイルの種類とは?自分の特性に合った営業スタイルを知ろう!法人営業は営業マンのスキルを大きく向上させてくれる
法人営業で新規顧客を獲得することは、簡単なことではありません。
ターゲットリストの取得から営業までの工程をすべて成功させるには、多くのノウハウとスキルを要します。
それでも、法人営業の成果は会社にとって大きな利益となるため、業績を上げた時には一気にステップアップできるチャンスとなるでしょう。
営業マンとしてのスキルを高め、さらなる飛躍を遂げたいと考えているような向上心の高い方は、ぜひ法人営業にチャレンジしてみてください。