法人へのテレアポの場合、最初に多くの人を悩ませるのが受付突破ではないでしょうか。
この電話受付を突破しない限り、キーマンである担当者に辿り着く事は出来ません。
受付は、営業を断るプロです。生半可なアポトークでは、軽くはじき返されてしまいます。
しかし、今からご紹介するテレアポ方法を実践するだけで、驚くほど受付突破率が向上するはずです。
大きく分けて2つの大切なポイントと、実践で結果を出したトークスクリプトの例文もご紹介。
アポ率8%と、業界平均の3倍となり、NTTの代理店では全国1位にもなった実績のある私が、テレアポで受付突破するテクニックを余すことなくご紹介します。
テレアポのコツ10選!電話でアポ取りするテクニック!法人営業の極意目次
受付突破するためには商品の話をしない
まず、電話受付を突破するために大切な、1つ目のポイントは「商品の話をしない」ことです。
例えば、商品の話をする営業電話はこんな感じになります。
営業マン
今回お電話致しましたのは、○○という□□で栽培されたとても貴重な商品で、これを△△すると、たった1週間で●●が■■になりまして、通常、▲万円のところが、特別キャンペーンで僅か▼万円と、絶対に喜んで頂けると思いますので、是非、、、
このようなトークでは、電話受付を突破する事は出来ません。
きっと、電話受付にも軽くあしらわれて終わるはずです。
「担当者は留守にしています」
「戻りは不明です」
「会議中です」
「結構です」
「断る様に言われております」
受付
その商品が、世の中で最も優れていたとしても、たとえ値段が安くても、たとえ無料だったとしても、「商品の話をする」アポトークでは、受付は突破できないのです。
テレアポが取れない理由は?うまくいかない原因と取れるようになるコツなぜ商品の話をする営業電話では受付突破できないのか
では、なぜ「商品の話をする」アポトークでは、受付を突破できないのでしょうか。
それは、「なぜ受付が断るのか」を考えると見えてきます。
そして、ここに、大きな盲点が存在しています。
受付が断る理由は、商品の良し悪しではありません。
受付が断る理由、それは、「営業だから」なのです。
受付が「営業だから断る」とはどういうことか、説明します。
一般企業の受付は、「受付嬢」という呼び名もあるように、圧倒的に女性が多いです。
年齢は20代から30代前半くらいで、見た目も良く、声も可愛い、そんな人が多いです。
そんな受付の彼女たちは、その上司から言われ続けている事があります。
それは、「営業は断れ」です。
なぜ上司が「営業は断れ」とあえて言うのかですが、法人特有の、営業電話の多さが関係しています。
企業には1日に5件以上の営業電話がかかってくる
通常、企業には、一日に少なくとも5件以上の営業電話が掛かってきます。
営業電話の内容は、保険であるとか、株であるとか、不動産であるとか、仕事に直接関係しているものはありません。
仕事と関係ないことに対し、そのすべてを対応していたら、時間がいくらあっても足りません。
そこで、上司は受付に対し、「営業だったら断ってくれ。絶対に繋ぐな」と釘を刺しているのです。
実際、私の会社でも、受付に営業は断るようにと言っています。
ですから、受付の仕事は、「掛かってきた電話が営業かそうでないかを判断し、営業だったらすぐさま断る」事なのです。
そんな受付に対し、あれやこれやと商品の話をすればするほど、「あ、営業だわ」と判断され、断られてしまいます。
こちらが勧める商品が、相手の会社の売り上げを何十倍に増やせるような、会社の経費を半分以下にできるような、たとえそんな夢のような商品であったとしても、受付は、営業だと判明した瞬間に断るのです。
受付にとって会社の利益は二の次
「受付」の彼女達にとって、会社の利益は二の次です。
会社の利益より、自分のネイルの方が気になっています。
「ってゆ~かぁ、もし上司に繋いで、営業じゃないか!って、怒られたら超ウザいし、会社の利益があがっても私の給料上がるわけじゃないし、会社が忙しくなったら残業しろとか言われるかもしんないしぃ」
長い髪の先の枝毛をチェックしながら、そんな愚痴をこぼす受付の姿が目に浮かびます。
もちろん、そんな受付ばかりではありません。
「少しでも会社の利益を向上させたい!」と、高い意識を持って働いている受付の人たちもいます。
そういう高い意識を持っている受付ならば、商品の良さをアピールするアポトークの方が、上司に繋いでくれるかもしれません。
ただ、私のこれまでの経験では、全体の98%は、「ってゆ~かぁ」な受付でした。
全体98%の「ってゆ~かぁ」な受付、僅か2%の「会社の利益を!」な受付、どちらを対象とした方が良いでしょうか。
私は98%を選びました。
単純に、数が多いからです。
その結果、アポ率は8%と、業界平均の3倍となり、NTTの代理店では全国1位になりました。
これが、「商品の話をしない」の理由です。
お客様・取引先のように電話をかけることで受付を突破
続いて、2つ目のポイントは「お客様・取引先のように」電話をかけることです。
受付を突破できるアポトークスクリプトを作るには、2つの大切なポイントがあります。
1つ目の大切なポイントが、「商品の話をしない」ことだと説明しましたが、受付が電話営業を断る理由は、商品が良いか悪いかではなく、「この電話はセールス」だと受付が見破ったからだと説明しました。
ということは、逆に言うと、営業・セールスだと見破られなければ、受付に断られる可能性はかなり低くなります。
では、どのように電話をすれば、受付に営業・セールスだと見破られずに受付を突破することができるのか・・・・。
まず、大前提として受付は、かかって来る電話の全てを、断っているわけではありません。
お客さまや取引先からの電話は担当者に繋いでいる
受付は、お客様や取引先からの電話は、丁寧に対応し、上司や担当者に繋いでいます。
だからと言って、あからさまにお客様や取引先を装って、テレアポをするのはリスクが高すぎます。
お客様や取引先を装ってテレアポをかけて、受付を突破する事ができたとしても、その後、担当と話すわけですから、すぐに営業・セールスであることがバレます。
そして、担当から烈火の如く怒られるかもしれませんし、たとえ怒られなくても、あなたの会社のイメージはかなり損なわれ、もう二度と同じ会社に電話をすることが出来なくなります。
ただ、受付が、あなたからの電話をお客様や取引先からの電話だと勝手に勘違いしたのであれば、問題はありません。
つまり、お客様や取引先を装うことなくテレアポをかけ、受付にお客様や取引先からの電話だと勘違いさせてしまえば良いのです。
もしかすると、受付に勘違いさせると聞いて、「人を騙す様な感じがして、気が引けてしまう」と、罪悪感があるのではないでしょうか?
罪悪感があると、テレアポは絶対にうまくいきません。
受付に勘違いさせることに罪悪感が生まれる時の対処法
私は罪悪感が生まれないために、次のように考える事にしています。
受付にはどういう人たちが多いのかを徹底的に分析した結果、全体の98%の受付は「上司に怒られたくない」という思いで働いている事が分かりました。
「会社の売り上げのために」という思いで働いている受付は、全体のたった2%しかいないのです。
私がどれだけ必至になってテレアポをかけても、「セールスの電話なんか繋ぎやがって、忙しいのに!!」と「上司に怒られたくない」という思いだけで、受付は私の電話を断り続けてきます。
私の商品が、相手の会社の売り上げを何十倍にも向上させられるかもしれないのに、相手の会社の経費を半分以下にすることができるかもしれないのに、受付はただ「上司に怒られたくない」という思いだけで、全て断ってくるのです。
全てを拒絶した会社が、繁栄するとは考えられません。
受付に断られる事で、私は幸せになれませんが、相手の会社も幸せになれないのです。
その会社で働く上司や担当者、もちろんその受付自身も、会社が繁栄しなければ、幸せになることは出来ません。
「このままでは、98%の受付が、日本の全ての企業を駄目にしてしまうかもしれない!!」
少し飛躍し過ぎかも知れませんが、私はこのように考えると、受付に勘違いさせるくらい、なんてことはないと、気が楽になり、罪悪感は生まれなくなりました。
あなたはいかがでしょうか。
罪悪感は、テレアポの最大の敵でもあります。
罪悪感をもったままでは、どんなノウハウも役に立ちません。
お客様や取引先からの電話だと勘違いさせる話し方
お客様や取引先を装うことなく、受付にお客様や取引先からの電話だと勘違いさせてしまう方法をご説明します。
抑揚をつけずに淡々とアポトークスクリプトを読み上げる
まず、話し方ですが、なるべく、抑揚をつけずに、淡々と、アポトークを読み上げるようにします。
何故なら、営業マンおよびアポインターは全くその逆で、なるべく抑揚をつけて、印象深くなるように、明るく、元気良く、大きな声で話しているからです。
なので、なるべく、抑揚をつけずに、淡々と、アポトークを読み上げた方が、テレアポっぽくないので、お客様や取引先からの電話だと受付に思わせる事ができます。
しかし、抑揚をつけずに、淡々とアポトークを読み上げるといっても、感情を全く消すというわけではありません。
感情を全て消してしまうと、コンピューターの音声の様になってしまうので、受付に違和感を与えてしまい、逆効果になってしまいます。
そこで、話し方の見本にすると良いのは、NHKのニュースキャスターです。
話し方の見本はNHKのニュースキャスター
NHKのニュースキャスターは、国営放送という立場上、中立である必要があるので、ニュースの内容云々に関わらず、感情を込めずに読み上げています。
しかし、感情を全く0にしているわけではなく、プラスでもマイナスでもない、程よい感情を、邪魔にならない程度で乗せているのです。
そして、確実に原稿を見て話しているのに、とてもスムーズに読み上げているので、まるで会話をしているかの様に、自然と言葉が耳に入ってきます。
この、ニュースキャスターの表現力や、滑舌の良さは日頃の鍛錬が作り上げたものです。
営業およびテレアポも話す職業と言う部分はニュースキャスターと共通ですから、うまく話すには、日頃の鍛錬が同じように必要です。
アポトークを何度も音読して鍛錬する
営業およびテレアポの日頃の鍛錬とは、アポトークを何度も何度も音読する事です。
アポトークを何度も何度も読んで、その内、原稿を見ずにスラスラと話せるようになった時、ニュースキャスターと同じくらいの話し方をマスター出来ていると言えます。
そして、その話し方は、受付に、お客様や取引先からの電話だと勘違いさせる事が出来る話し方なのです。
アポトークの最後は「担当の方をお願いします。」
あと、アポトークについてですが、最後の部分を、「担当の方をお願いします。」と言い切るようにします。
営業マンおよびアポインターの場合、断られるかもしれない、という気持ちがあるので、「担当の方をお願いできますか?」と、受付につい聞いてしまいます。
それに引き換え、お客様や取引先は、担当者に繋いでもらえる事は当然のことと思っていますから、「担当の方をお願いします。」と、普通に言い切ることが出来るのです。
ニュースキャスターのように、なるべく抑揚をつけずに、淡々とアポトークを読み上げる
受付を突破するアポトークスクリプトの例文
受付突破をするためのアポトークには、正攻法と奇襲法の2パターン作成します。
正攻法で受付突破するアポトーク
まず、正攻法ですが、その名の通り、奇計などを使用せず、受付の正面突破を目指します。
相手に電話をかけ、受付が電話に出たら、自分の社名と名前を名乗ります
その後、
営業マン
○○の件でお電話したのですが、担当の方をお願いします
と話します。
なるべく短く、端的に要点を述べたほうが、より受付突破率が高まります。
ただ、このアポトークを普通に読んではいけません。
上述した話し方で、抑揚をつけずに、淡々と、NHKのアナウンサーのように、アポトークを読み上げると、受付は、お客様か得意先からの電話だと勘違いし、担当に繋いでくれます。
この正攻法パターンで受付を突破すると、担当が電話に出た後の話の流れが、スムーズに進めていきやすいので、まずは、この正攻法パターンのアポトークを使用して下さい。
この正攻法パターンのアポトークで受付を突破できない場合、奇襲法パターンのアポトークを使用します。
奇襲法で受付突破するアポトークスクリプト
奇襲といっても、正攻の対義語なのでネーミングしただけですから、相手の不意をついたり、寝込みを襲うわけではありません。
奇襲法パターンとは、よりお客様か得意先からの電話だと、受付に勘違いをさせるように作るアポトークとなります。
ただし、上述したように、あからさまにお客様や取引先を装って、テレアポをするのはリスクが高すぎます。
例えば、一時期流行した「消防署の方から来ました」と訪問し、消火器を売るようなやり方だと、警察沙汰になってしまうかもしれません。
あくまで、受付が勝手に勘違いをするということがポイントなので、微妙なニュアンスが求められます。
これまでの実践結果をいくつかご紹介しますので参考にしてください。
テレアポトークスクリプトの「6ゾーン・テンプレート」!電話営業でアポ取りする例文マニュアル実践結果1
商品:クラウドシステムの販売(予算・実績数値の管理を効率化するシステム)
対象:東京都内の上場企業
実践したアポトーク
営業マン
お忙しいところ恐れ入ります、私、○○の○○と申しますが、お世話になります。
現在お使いの予算・実績管理システムの件で、お電話させて頂いたのですが、恐れ入ります、経営企画か経営管理のご担当者様をお願い致します。
このアポトークのポイントは、「現在お使いの・・・」です。
「現在お使いの・・・」という文章を用いるだけで、受付は得意先からの電話だと勘違いします。
様々な業種で使用可能なので、とても使いやすいパターンですが、その分、話し方が重要になってくるので、何度も繰り返し音読する鍛錬が必要です。
この案件については、上級者のアポインターを起用し、数多くの受付突破に成功しました。
実践結果2
商品:求人広告の掲載募集
対象:現在、求人広告を出している企業
実践したアポトーク
営業マン
お忙しいところ恐れ入ります、私、○○の○○と申しますが、お世話になります。
本日のこのお時間帯でしたら採用担当の方がいらっしゃるとお聞きしましたのでお電話させて頂いたのですが、恐れ入ります、採用担当の方をお願い致します。
求人広告を現在出している企業ですから、面接希望の人からの電話だと受付が勘違いしてくれれば、担当に繋いでくれます。
かといって、「面接希望の者ですが」と電話をかけてしまうと、営業だとバレた時に、揉め事になる可能性があります。
しかし、今回の実践したアポトークの場合、「本日のこのお時間帯でしたら・・・」という言葉に対し、受付は「一度電話をかけてくれたけど、きっと採用担当が不在だったのね」という思考が先行してしまいます。
この電話の相手が、営業かもしれないと言う思考が生まれにくいのです。
本来、いつ電話をかけても、採用担当は十中八九在籍していますから、受付突破後、スムーズ担当に繋がりました。
実践結果3
商品:リスティング代行
対象:ネット広告を出している企業
実践したアポトーク
営業マン
すいません、私、○○の○○と申しますが、御社のホームページを見てサービスについて少々お伺いしたいのですが、インターネットで集客や広告などを担当されている方をお願いします。
どういったご用件ですか?
受付
営業マン
あっ、失礼しました。当社は業界初のお試しリスティング代行のサービスを行っておりまして、御社のインターネットでの集客にお役に立てると思い、お電話させて頂いたのですが、恐れ入ります、インターネット広告をご担当されている方をお願い致します。
市場が荒れている場合、受付突破はかなり困難です。
この案件も、市場がかなり荒れていたため、かなり際どいトークでないと受付を突破出来なくなっていました。
その為、ホームページを見て問い合わせてきた、客に勘違いされるような、際どいアポトークにしています。
そして、際どいアポトークの場合に必要なのが、受付から抵抗を受けた際、揉め事にならない為の、第二のトークを用意しておくことです。
この第二のトークを用意しておく事で、もしもの時の対応が可能となります。
この案件も、苦労はしましたが、受付突破に成功しました。
爬虫類脳を理解して営業活用【脳の三層構造】哺乳類脳・人間脳とは?テレアポで受付突破する方法のまとめ
受付突破するためには、「商品の話をしない」「お客様・取引先のように電話をかける」と言うことを大切にしてください。
受付が厳しい場合、その受付の先にいる担当は、緩い場合が多いです。
なぜなら、いつも受付が営業を断ってくれているので、営業慣れをしていない担当が多いからです。
あなたの同業他社が、受付突破に苦労しているならば、あなたにとってはチャンスとなります。
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