営業戦略をはじめて立てるという方は、右も左もわからず苦労することが多いでしょう。
何もない状態で一から営業戦略を考えようとしても、すぐにアイデアが行き詰り、営業戦略を最後まで完成させられなくなってしまうかもしれません。
そこで今回は、営業戦略の基礎となる基本的な立て方やテンプレートについて解説いたします。
成功事例もあわせて紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
営業戦略の立て方によって会社の今後が大きく変わる
営業戦略は、会社の今後を担う重要な役割を持っています。
営業戦略を立てることで以下の3つのポイントを具体化させ、会社全体の方向性を決定づけることができるのです。
- 作戦(例:売上をもっと伸ばそう)
- 戦術(例:市場を拡張していこう)
- 計画(例:SNSを積極的に活用していこう)
営業戦略によって窮地を脱した事例2選
実際に営業戦略によって業績を上げられた事例を2つほど紹介します。
どちらの事例も優秀な営業戦略があってこそ実現したものであり、営業戦略の大切さを物語るものです。
ロッテリア
飲食店として有名なロッテリアは、エリアごとに売上の貢献度にバラツキがあることをかねてより問題視していました。
そこで、業務報告や商談事項などをひとつにまとめておけるアプリを導入し、全エリアのマネージャーや従業員がロッテリア全体の状況を簡単に把握できるようにしたのです。
アプリを導入した結果、上層部も各エリアの状況をより詳しく知ることができるようになり、結果的に今まで見えていなかった無駄を省いて業務を効率化させ、会社全体の売上を底上げすることに成功しました。
プラスチック製造業者
とあるプラスチック製品製造業者は、昔ながらの飛び込み営業というやり方で地道に契約先を増やしていました。
ところがある時、訪問営業だけだとタイミングなどが合いづらく、どうしても契約企業数を伸ばすのに限界があると感じ始めたのです。
そこで今まではほとんど活用していなかった自社のWebサイトを大幅リニューアルし、Webからの流入も狙っていく方針に切り替えました。
その甲斐あって、契約企業数が以前の何十倍にも増加したのです。
営業戦略のテンプレートと具体的な立て方
営業戦略を立てる具体的な方法について解説していきます。
なにも基盤がない状態だと、具体的に営業戦略を考えることが難しくなりやすいでしょう。
そのような場合は、以下のようなテンプレートを使って営業戦略を立てていくのがおすすめです。
↓
[戦略で攻略するターゲット]↓
[戦略で攻略する市場]↓
[戦術プラン]上記のテンプレートにもあるように、営業戦略は基本的に以下のような流れに沿って立てられます。
営業戦略の立て方を4つのステップで解説!フレームワークや事例も紹介1.営業戦略を立てることで達成したいゴールを決める
何よりもまず営業戦略を打ち出す目的を明確にする必要があります。
目標はなるべく全社員に理解されるように、一言で表現できるようなものにするのが理想的です。
たとえば「〇〇の売上を伸ばす」とか「店舗格差をなくす」など、分かりやすく明確なゴールを定めましょう。
あれもこれもと欲張りすぎると、その後の営業戦略があやふやなものになってしまう危険性があります。
2.戦略のターゲットを洗い出し分類する
営業戦略のゴールが決まったら、今度はゴールを達成するために働きかけるべきターゲットを洗い出していきましょう。
たとえば「女性にも商品を買ってもらおう」という営業戦略目標を立てたのだとしたら、ターゲットは世の中の全女性ということになります。
女性は世界中にたくさんいるのでなるべく細かくターゲットを分類し、より効果的に働きかけやすいターゲットに絞り込んでいくべきです。
大人向けの商品を売りたいのなら、「20代~30代の女性」や「オフィス街で働く女性」がターゲットとして浮かび上がってくるでしょう。
ターゲティングとは?重要なマーケティング戦略や危険な勘違いについて具体的に解説3.関係するマーケットの状況を把握する
ターゲットの洗い出しと分類が終わったら、今度は関係する市場の状況を分析します。
分析を行う時は、以下のようなフレームワークが役に立つでしょう。
- 3C分析
- SWOT分析
- RFM分析
上記のようなフレームワークを活用すれば、現在の市場の状況と顧客の状況を関連付けて分析できたり、ライバル他社と自社と顧客を取り巻く環境を明確化したりすることができます。
そうすることで、自社の抱えている課題や自社が独自で持っている有利な点に気が付くことができるのです。
フレームワークとは?新規事業の営業戦略で役立つビジネスフレームワーク5選!4.戦術プランを考える
ターゲットの状況、市場の状況、自社の状況すべてを具体的に把握することができたら、いよいよゴールを達成するための戦術プランを考えていきます。
戦術を考える時は自社の持ち味を活かしつつ、欠点をどう補うか意識していくと良いでしょう。
たとえば、「大人の女性に商品を多く買ってほしい」という目標を立てている時、自社商品の強みが「アンチエイジング効果がある」、自社商品の弱みが「パッケージのデザインがポップ過ぎる」だったとします。
このような場合はアンチエイジング効果をそのまま残しつつ、パッケージを大人の女性が好むものに変更するなどの戦術を立てるのが効果的です。
5.実行しPDCAを回す
戦術を立て終わったら、実際にプランを実行に移します。
実行しはじめたら定期的に結果を集計し、成果が出ているか確認するようにしましょう。
結果が目に見えやすいようにKPIを設定しておくのがおすすめです。
最初はなかなか思うようにいかないものなので、結果を元にプランを改善しまた実行に移しましょう。
このようにPDCAサイクルを回していけば、いずれは最初に掲げていたゴールを達成し会社を大きく成長させられるはずです。
企業の成長には質の高い営業戦略が必要不可欠
創業当時の決まり事を守り続けるのも大切なことです。
ですが、最初から完璧な戦略は立てられないものなので、必ずどこかに欠点が生じはじめます。
自社の欠点を放置せずしっかりと向き合い、欠点を覆すための営業戦略を意欲的に立てていきましょう。
今と未来をしっかり見据えた質の高い営業戦略を立てることが、企業の確かな成長へと繋がっていくのです。