よりどころがないまま営業を続けていても、なにが正しいのかが分からず道に迷ってしまうでしょう。
その点、トップ営業マンは自分の中にはっきりとした営業の心得を持っているので、例え躓くことがあってもすぐに体制を立て直すことができるのです。
そこで本記事では、営業活動で迷っている方のために、売れる営業マンだけが持つ心得を紹介していきます。
心得を知ることができれば、より明確な目標を持って営業活動に挑むことができるようになるはずです。
目次
営業は「四方よし」が実現してこそ成功する
営業活動を成功させるには四方、つまり「売り手・買い手・世間・関係者」全員が満足して喜びを得られる行動を実行する必要があります。
営業により報酬や充足感を得ることができれば、売り手は営業に対する自信を高めることができるでしょう。
また、営業によって価値ある商品を紹介され、それを活用することで幸せになれれば、買い手にとっての喜びとなるはずです。
満足した買い手が知人に商品を紹介して行けば、世間が幸せになります。
世間が自社の商品を求めるようになり、会社の売上が向上することは、商品に関わる全ての関係者にとってメリットとなるのです。
このように、四方全てが幸せになるような営業活動をすることこそが、営業マンの中核をなす心得だといえるでしょう。
四方それぞれを幸せにするための心得については、以下で詳しく説明していきます。
- 売り手よし
- 買い手よし
- 世間よし
- 関係者よし
「売り手よし」の心得4つ
売り手、つまり営業マン自身が営業からメリットを得るためには、以下の4つの心得を覚えておく必要があります。
1.努力の力を信じる
「努力は必ず実る」という言葉がありますが、これは営業活動にもいえることです。
どんなことでもはじめは上手くいかないものですが、コツコツと努力を続けるうちに確実に成果は出ます。
努力が実るまでには、以下の5つの段階を踏むものだといわれています。
- 潜伏期:いくら頑張ってもなかなか成果が出ない
- 下降期:努力するほどむしろ状況が悪くなっていく
- 暗黒期:どん底ともいえる一番つらい時期
- 浮上期:少しずつだが成果を実感できるようになってくる
- 顕在期:やればやるほど成果が得られるゴールドラッシュ状態
1段階目から3段階目までは、本当に苦しい時期が続きます。
しかし、そこで諦めずに努力を続けられた人こそが、本当の成果を得られるのです。
2.失敗は成長するためにある
営業活動で失敗した時は、落ち込むのではなく成長するチャンスだと捉えましょう。
人は失敗からしか学ぶことはできません。
成功した過去だけを見つめても、何が要因で成功したのかが分からず成長できないのです。
失敗した時のことを振り返れば、その原因を探し出すことができます。
原因を見つけ、分析し、改善していけば、最終的に再現性の高い成功法則を手にすることができるのです。
営業がうまくいかないときの3つの典型的な思考パターンと4つの解決策3.セルフイメージをコントロールする
自分が持つ営業マンとしてのセルフイメージをコントロールできなければ、顧客の心は掴めません。
自信のなさそうな営業マンを見た時、顧客は購買意欲よりも不信感を募らせます。
本当はそこまで優秀な営業マンではなかったとしても、
「自分はトップ営業マンだ」
「自分が営業すれば商品は必ず売れる」
というように自己像を強くイメージすることが大切です。
営業職に向いてる人の5つの特徴とは?営業には向かない人の特徴も解説4.営業を楽しむ
営業活動に楽しみを見出すことで、生き生きと仕事ができるようになります。
楽しそうに仕事をしている姿を見せられれば、顧客に商品や会社そのものに対するポジティブなイメージを抱かせることができるのです。
「人間観察が好き」
「相手の役に立つのが楽しい」
など、まずは営業の好きな部分を見つけてみましょう。
できる営業マンに共通する3つの特徴|必要な行動&テクニックも解説「買い手よし」の心得3つ
営業活動を支えているのは、買い手の存在です。
買い手が満足してくれれば、営業に意義を見出すことができます。
営業活動で買い手に満足してもらうためには、以下の3つの心得が必要です。
1.身だしなみを良くする
第一印象から相手に不快な思いをさせないために、身だしなみには最大限に気を配りましょう。
汚くてだらしのない服装の営業マンから物を売られて気持がいい顧客はいません。
お客様から信頼してもらうためにも、髪型、服、靴などは清潔にしておきましょう。
2.約束を破らない
来社時間など、約束したことは必ず守りましょう。
顧客は限られた時間を消費して、営業マンとコミュニケーションを取ってくれています。
営業マンが大したことのないと思った5分の遅れのせいで、顧客は貴重な5分を無駄にすることになるのです。
3.売るためではなく与えるために相手を知る
相手に買ってもらうためではなく、相手に何かを与えるためにコミュニケーションを取りましょう。
商談の要となるのはヒアリングです。
ヒアリングによって顧客が望んでいるものや抱えている問題を把握し、どうすれば顧客のために自社の製品やサービスを提供できるか考えます。
御用聞き営業から提案営業へと進化するための6つのステップを徹底解説!「世間よし」の心得2つ
営業は売り手と買い手が満足すれば良いというものではありません。
買い手に対して商品を適切に売り込み顧客が満足すれば、その評判は自然と世の中に広がっていきます。
世間に有益な情報が流され、より多くの人が自社製品の恩恵を受けられる状況になるのです。
営業マンが世間にとってメリットのある行動を取るためには、以下の2つの心得を把握している必要があります。
1.自社製品・サービスの良さを広める
自分の会社の商品やサービスの良さを誰よりも深く理解し、世間に分かりやすく発信していく必要があります。
そのためには、まず自分自身でその商品やサービスを使ってみなくてはならないのです。
実際に商品やサービスを使ってみれば、商品のメリットとデメリットがはっきりと見えてきます。
そのため、マニュアルを読むだけの営業マンより、具体的に商品の良さを伝えることができるのです。
営業力を構成する5つの必要スキルと営業力を向上させる具体的な方法2.地域の迷惑になる営業行為はしない
営業にマイナスイメージがついてしまう原因となる迷惑行為は、どんな状況でも絶対にしてはいけません。
深夜や早朝などの非常識な時間に訪問販売を行えば、近所の住人に不信感や恐怖感を与えることになります。
熱心にセールストークをし過ぎると、声が大きくなりすぎて近隣住民の迷惑になってしまう恐れがあるため注意しましょう。
よく訪問するルートがある場合、近所の人に愛想よく挨拶をすれば、おのずと地域での評判は良くなっていくはずです。
テレアポの時間帯はいつが良い?個人・法人への営業電話で成功率が高い時間帯「関係者よし」の心得3つ
営業活動において「四方よし」を実現するには、商品開発や販売に関わる全ての関係者にとってメリットのある行動を起こす必要があります。
以下の3つの心得を覚えておけば、会社の従業員やその家族、協力者、株主など全ての関係者が喜ぶ結果を得ることができるでしょう。
1.クレームをチャンスと捉える
クレームは会社が成長するために必要不可欠なものです。
どんなに誠実に仕事を行っていても、クレームの発生は避けられません。
しかし、質の良いクレームには、会社のサービスを充実させるためのヒントが隠されているものなので、むしろチャンスだと捉えることができるのです。
クレームが入った時は、まず誠心誠意謝罪しましょう。
そのように顧客の気持を受け止めてから、今度はヒアリングによって相手の本音を探ります。
「どのような面に不満を持ったのか」
「どのような対応を期待しているのか」
などを知り、会社に意見を還元することで、会社全体がワンランク上のサービスを提供できるようになるのです。
見込み客と潜在顧客の見分け方とは?見込み客へのアプローチ方法も解説2.人脈を大切にする
営業活動中に出会った全ての人との出会いを大切にしましょう。
人脈が広がるということは、お互いの武器がどんどん増えていくということに他なりません。
人脈を大切にすることは、営業マンにとってはもちろんのこと、営業マンと関わる人にとってもメリットとなります。
もしも困っている人と出会ったら、自分の持つ人脈をフルに活用し助けてあげましょう。
自分が仲介人となることで、少なくとも2人の人の人脈を繋げることができます。
それを続けていけばねずみ算式に繋がりが増えていき、より多くの人を幸せにできるのです。
3.チームワークで成功をつかむ
トップ営業マンだけが売上を出しても、あまり良い結果は生まれません。
会社全体の営業力を向上できるように工夫しなければ、会社の飛躍的な成長は望めないのです。
営業はチームプレイですから、自分が培ったノウハウは惜しみなくチームに還元しましょう。
また、営業チームにだけではなく、開発チームにも営業の中で得た情報を伝えることが大切です。
あなたのおかげでよりよい新製品を開発できれば、確実にキャリアアップへと繋がります。
フレームワークとは?新規事業の営業戦略で役立つビジネスフレームワーク5選!まとめ:関わる人全てを幸福にする営業を実現させよう
営業を成功させるためには自分と顧客だけではなく、世間や関係者のことも考えて努力をし続けなくてはなりません。
自分と関わる全ての人のためになるような行動を心掛けていれば、おのずとあなたの営業スキルは向上していくはずです。
営業活動が上手くいかないという人は、本記事で紹介した売れる営業マンになるための心得を意識しながら営業活動を行ってみましょう。