昔ながらの御用聞き営業で、今まで成果を上げてきたという企業の方も少なくないでしょう。
しかし、インターネットが普及し、顧客が自分の求めている商品を簡単に見つけることができる時代に突入した現在、御用聞き営業だけでは新規顧客を獲得し続けるのは難しくなってきているというのが現状です。
そこで、今まで御用聞き営業しか行ってこなかったという企業が、この先どのように営業スタイルを変えていけば良いのか、本記事で詳しく解説していきたいと思います。
目次
頼まれた商品だけを販売する御用聞き営業
御用聞き営業とは、顧客から注文された商品だけを定期的に配達する営業スタイルのことを指します。
インターネットが普及する以前は、食材や消耗品などを毎回一から注文するのが面倒だったため、定期的に決まった商品を届けてくれる御用聞き営業は、顧客から大変重宝されていたのです。
しかし、今はスマホやパソコンがあるので、必要な商品を手に入れるのは決して困難なことではなくなりました。
その上、今使っているものよりも魅力的な商品は、インターネット上だと簡単に見つかります。
このような時代に新規顧客を獲得するためには、御用聞き営業のスタイルを今よりももっと進化させる必要があるのです。
セールスイネーブルメントの効果とは?成功させるポイントも解説御用聞き営業のメリットとデメリット
御用聞き営業という営業スタイルが、他の営業スタイルよりも劣っているということでは決してないのです。
御用聞き営業にも、他の営業スタイルにはないメリットがあります。
現代においても、そのメリットは健在です。
しかし、時が流れるにつれて御用聞き営業のデメリットも目立ち始めています。
御用聞き営業のメリット
御用聞き営業の一番のメリットは、その利便性です。
気に入った商品やサービスを長く利用たいと思っている顧客にとって、定期的にそれらを届けてくれる御用聞き営業はなくてはならない存在となっています。
また、顧客とは何度もやり取りをすることになるので、企業と顧客の間には深い繋がりが生まれます。
信頼関係で結ばれたお得意様の存在は、企業の成長には欠かせません。
御用聞き営業のデメリット
御用聞き営業は完全に受け身の営業スタイルなので、顧客側からの注文がないと商品は売れません。
そのため、なんとか顧客に自社の商品を見つけてもらえるように工夫する必要があります。
また、一度商品が売れたとしても、その顧客がこの先もずっと注文し続けてくれるとは限りません。
競合他社との価格競争に負けた場合、簡単に顧客を奪われてしまいます。
御用聞き営業の進化形態である「提案営業」
御用聞き営業を進化させた営業スタイルが提案営業です。
提案営業は顧客からの注文を待つだけではなく、こちらから顧客が欲しそうな商品やサービスの購入を提案します。
それにより、御用聞き営業のデメリットであった受け身一択の状況を打破し、売上向上につなげられるようになったのです。
主な提案営業の種類として、以下2つの営業スタイルを紹介します。
売上を上げる方法は?BtoC向けとBtoB向けの具体的な売上を伸ばす施策商品提案営業
商品提案営業とは、お客様からの注文を待つのではなく、企業側からどこよりも早く顧客のニーズに合う商品を提案する営業スタイルです。
顧客のニーズを探るために足しげく通い詰め、ニーズが判明した時点で速やかに自社製品を売り込みます。
競合他社に顧客を取られることがなくなるため、効率よく新規顧客を獲得できるのが商品提案営業のメリットです。
ソリューション営業
いきなり自社の商品やサービスを売り込む商品提案営業とは異なり、ソリューション営業では顧客の悩みに対する解決策(ソリューション)を提案しながら、自社製品がどのように顧客の役に立つのかプレゼンをしていきます。
自分のために解決策を提案してくれていると感じた顧客は営業マンに対して信頼感を抱くようになるため、過度な「押し売り感」を与えずに済むのです。
ソリューション営業については、「ソリューション営業とは?手順や必須スキル!コンサルティング営業との違いは?」の記事で詳しく解説しています。
ソリューション営業とは?手順や必須スキル!コンサルティング営業との違いは?御用聞き営業から提案営業に進化する6ステップ
顧客からの注文を待つことしかできない御用聞き営業から、効率的に新規顧客を獲得できる提案営業へと進化するための手順を6ステップに分けて紹介します。
顧客情報が各部署に散らばっていたり、紙で管理したりしているような状態だと、どうしても作業効率が悪くなってしまいます。
また、顧客の抱える問題をいち早くつかんで解決策を提案するためにも、商談内容はきちんと記録して管理しておくべきです。
顧客情報管理には「CRM(顧客管理)システム」や「SFA(営業支援)システム」を利用しましょう。
顧客の状況は刻一刻と変化しています。
提案営業では、その都度顧客に合った提案を先回りして行う必要があるため、顧客に関する情報は逐一更新していく必要があるのです。
顧客の悩みに関する仮説を立てることで、提案内容に説得力が生まれます。
仮説を立てる時は顧客の置かれている状況や業界、競合他社の動きなどを分析して、具体的に顧客の抱えている問題を把握していくようにしましょう。
フレームワークとは?新規事業の営業戦略で役立つビジネスフレームワーク5選!仮説を立てた上で、顧客が欲しがるであろう情報を惜しみなく提供していきます。
ブログやSNS、メルマガなどを利用して、顧客のニーズにかなう情報を提供できれば、自社に対する顧客の信頼度が徐々に向上していくはずです。
丁寧なヒアリングを繰り返していけば、顧客自身も気付いていない潜在的な問題点や課題が見えてくるはずです。
それを明確化することで、顧客は自分のことをより深く理解することができ、あともう少しでワンランクアップできるという段階まで成長できます。
見込み客と潜在顧客の見分け方とは?見込み客へのアプローチ方法も解説潜在的なニーズを捉えることができたら、次は「どのようにしたら自社の商品やサービスが顧客の問題解決に役立つのか」を提案していきます。
提案に説得力があればあるほど顧客は納得し、その後も良いパートナーとして関係を継続できるようになるでしょう。
御用聞き営業を進化させることは決して難しいことではない
良きパートナーとなってくれる企業こそが、顧客からの信頼を得ることができます。
御用聞き営業も、元々は顧客からの要望に答えた営業スタイルだったはずです。
そのため、御用聞き営業に特化してきた企業でも、顧客の要望に応えたいという姿勢さえ忘れなければ、自然とワンランク上の提案営業というスタイルに移行していけることでしょう。
ぜひ諦めずに、最後まで顧客のための営業スタイルを追求し続けてください。