商品のメーカーは、どうしても開発や生産で手が一杯になってしまいがちです。
時間と人手を割いて良い商品ができたとしても、それを顧客に売り込む専門知識がないと、上手く売り上げを向上させることができません。
そこで本記事では、商品を効率よく販売したいという方に、すでにアメリカでは主流となっているセールスレップという販売方法を紹介します。
セールスレップを利用することでどのような恩恵が受けられるのか、デメリットはないのかということについても詳しく解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。
目次
セールスレップの意味とは?
レップとは「Manufacturer’s Representative」の略語で、「メーカー代表者」という意味を持つ言葉です。
セールスレップはメーカーの商品を代わりに販売して成功報酬をもらう販売方法のことを指し、レップ側は一つの商品だけを売り込むわけではなく、販売先が同じ複数のメーカーの商品を同時に扱います。
複数メーカーの商品を代わりに売るというだけでは、代理店とそれほど変わりがないように見えるかもしれません。
しかし、代理店はあくまでも商品を発注して自分のお店で販売する店舗のことなので、どちらかといえば営業対象になります。
対して、セールスレップは完全に営業側の仕事を代行しますので、発注して売るのではなく、発注してもらえるように売り込みをかけることが役割となるのです。
できる営業マンに共通する3つの特徴|必要な行動&テクニックも解説セールスレップと営業代行の違い
セールスレップはメーカーに代わって商品を売り込みます。
それとほぼ同じ業務を担当しているのが営業代行です。
とはいえ、セールスレップと営業代行は決して同一なわけではありません。
特に、「報酬の発生条件」と「契約期間」という点においては、明確な違いがあります。
1.報酬の発生条件が違う
セールスレップの場合はメーカーの商品を売り込み、受注まで漕ぎつけた時点で成果報酬が発生します。
その後の納品や集金に関してはメーカーの仕事となるため、セールスレップは一切関与しません。
一方、営業代行の場合は、メーカーが行うべき営業活動の一部・またはすべてを代行することになります。
どの時点で報酬が出るのかは、営業代行会社とメーカーとの間で交わされる契約内容によって大きく変わるため、一概にはいえません。
2.契約期間が違う
営業代行に比べて、セールスレップの契約期間は1か月前後と、非常に短期間であることが多いです。
セールスレップの場合、レップ側もメーカー側も常により良い相手との契約を求めて、短期間での契約を繰り返します。
営業代行の場合は、どちらかといえば腰を据えて営業力の底上げを実践していくことが多いイメージです。
契約期間に決まりはありませんが、セールスレップのように入れ替わりが激しい印象はあまりありません。
色んな営業代行サービスを試すというよりは、1社に絞ってお互いに営業施策を出し合いながら実行していくことが多くなります。
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セールスレップを利用することで、メーカー側には以下のようなメリットがあります。
1.発注の手間がないため価格競争力を高く保てる
セールスレップで商品を売り込む際には、代理店とは異なり、実際に商品を発注する必要がありません。
そのため、余計なコストが削減され、価格競争の場面となったときにはリスクなく販売価格を下げていくことができるのです。
2.リアルな市場のニーズを把握できる
セールスレップを利用すると、自社製品以外にも関連する他の商品と一緒に抱き合わせで売り込まれることになります。
そのため、レップ側は売れ筋商品を完全に把握することができ、その情報をメーカーに還元することができるのです。
メーカー側は市場競争の現実を知るとともに、より良い商品の開発に尽力することができます。
このようにコーディネーターとしてメーカー側に助言や提案ができる点も、セールスレップの強みだといえるでしょう。
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セールスレップと契約をすれば、自社で営業するための人材を雇ったり、教育したりするコストが一切かかりません。
正社員を雇ってはじめから育成するとなると、長期間の教育コストと人件費がかかってしまいます。
しかし、セールスレップを利用すれば、すぐにプロの営業マンに商品を委ねることができ、かつ報酬は成功報酬なので無駄な人件費を払い続けなくて済むのです。
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セールスレップはメーカー側にとってうまみが大きい販売方法ですが、場合によっては以下のようなデメリットもあるため注意しましょう。
1.自社の商品以外を売られる場合もある
セールスレップでは、一つのメーカーの商品だけではなく、複数のメーカーの商品を同時に売り込むことになります。
さらには、効率的に営業をかけるために同じターゲットに対して商品を売り込むため、他の企業の商品は売れても、自社製品は売れないという事態が起こり得るのです。
基本的に競合メーカーの商品と一緒に売られることはありませんが、報酬欲しさに他の商品の引き立て役として自社製品が利用されてしまう恐れもあるため注意が必要です。
2.セールスレップ側に断られることもある
メーカー側からの希望で一方的に契約を結べる営業代行とは異なり、セールスレップの契約は双方の合意がなくてはなりません。
メーカーの商品に魅力を感じなかったり、自分の販売テリトリーでは売り込むうまみがないとレップ側に判断されたりしてしまうと、契約自体ができないこともあるのです。
お互いが依存し合わないように短期契約を基本とするなど、レップとメーカーの関係は営業代行に比べてドライになりやすいといえます。
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メーカーと常に対等な立場で営業やコンサルティングを担当してくれるセールスレップ。
セールスレップと良い関係性を築くことができれば、自社だけではたどり着けなかった商品開発が実現できたり、企画力・営業力が格段にアップしたりという、大きな恩恵を受けられるのです。
日本ではまだまだ浸透途中のセールスレップですが、販路コーディネータの台頭などを背景に、今後ますます需要を伸ばしていくことは間違いありません。